SVX石器時代(すなわち購入決定から購入までの道程)
「車が欲しくなる〜」
どちらかというと、免許取得の為のモチベーションを
維持するための、脳内策略的な物欲モードであったこのプランだが、
車を、実用品ではなく、1/1スケールの巨大おもちゃと考えると、
男の子としては、無いいとも言いがたい欲しい感が湧き上がってきた。
ああ、こんな巨大なものが、グルングルン回りながらゴロゴロ走り回るのである。
んでもって乗り込める、二足歩行で乗り込めるロボ、もっと厳密に言っちゃえば、
モビルスーツ、これである。今のところコレにもっともビンゴなアイテムこそが、
自家用車なのであるというか、おいらの定義であり、来るべきジオン独立戦争に
備えて、各自訓練に励んでおく事も必要かと思ったりも強く感じたし。
で、免許(AT限定)を何とか苦労の末に取得。
っていうか、免許(AT限定)所得前に、会社の同僚さんとの会話。
「車、何買うん?」
「何じゃそれ?」
「探しといたるわ」
の三連コンボにて購入を半確定させてしまった。
ものの、実際にはオークションに、全く出物が、ない。
困ったものであるが、スバルのオフィシャル中古車は、相場よか非常に高額である為、
一般的収入元しかないおいらは、気長に待つことにした。
で、免許取得よかXXXX日後に、会社同僚より、連絡があった。
走行は7万キロと多い目だが、ワンオーナーの程度がいい車が、
しかも、VerLでエアバッグ付き、白色てことである。
実際、出物が少ないのはここ数ヶ月で実証済みなので、
200万円までならOKとの返事を出して、待つことにした。
で、同額にて落札、でもこっちが先に入札したんで優先権あり、っていう、
ドキドキ状態にて落札、車検受け渡しにて数日後に見学させてもらうことに。
で、どうやら、分割のローン保険になにやら保証人、すなわち親の承認が必要なんで、
親に連絡、何故かこっ酷く罵られる。何故?
やっぱり、親としては、カローラとかに乗って欲しかったのだろうか?
正月に帰った時に、チラッと話はしたのだが、其の時も反対されたし。
とりあえず、スバルっていうのが意味不明らしい・・・
そんな中、兄は唯一、それとなく理解して頂いた上、
カードライバー誌の新車時のインプレッション掲載号を持っていたなど、
いい感じに協力的でありがたいが、同誌に壊れやすいと書かれていたのには、
肝心のおいらがビビッテしまいましたが、まぁ、巨大なおもちゃなんで、
全然気にしていませんでした。
っていうか、うちの兄、MGミジェット乗ってたりします。
壊れると大変そうです。戻ってこないようです。
全くもって、趣味やら行動パターンやら相容れることが無い兄弟だが、
これでも血をわけた兄弟だなぁと、変なところで関心してしまった。
んなわけで、父親同伴という見学会になりました。謎。
で、当日
雨の降る夜。
街路灯の明りをなめかましく照り返す深遠。
雨の雫が水滴へと変貌しボディラインを滑り落ちる曲線。
真珠の白と黒の織り成すコントラスト。
塗れた靴を分厚いカーペットで出迎える儚さ。
1週間後、車庫証明を所得できた為、”おいら”のSVXを引き取りに行った。
それがSVXの初運転で、車道デビューで、しかも見知らぬ道だった。
仕事が終わってすぐ、前述の友人の車に乗り込み、中古車屋に向かったのだった。
日の光の元、始めてみる「おいら」のSVX。で、でかい・・・
確りとした重量感のあるドアをあける。シートに腰をおろす。
「ま、前のボンネットが見えない・・・」
「は、ハンドルの位置が低くてアクセルとブレーキが近すぎ・・・る」
はわわわわ、うっかり戸を閉めたもんだから、店のおっちゃんに
お買い上げ有難う御座いましたな感じのお辞儀&お見送りをされてしまった!
はよ、この場を立ち退かねば気まずい空間がみるみる増幅されていってしまう。
紳士的なおいらは、初、キーを捻る。あ、かかってるのかな?静か。
あ、あ、店の人が道への出口で合流の誘導体制を取ってる!
ああいそがねば、まずサイドブレーキを解除して、レバーをDの位置へ・・・
んでアクセ・・・・
「ぐぅぅぅおおおおおおぉぉぉぉんん」
急加速、前方に人が居たらポスタル状態であった。
コレ、教習所の車とちゃう車やん・・・あ、あぶないで、これ・・・
なんとかギクシャクしながらも、一般道デビューに成功。
いきなり赤信号にぶち当たる。あ、シートベルトしてない。いかんいかん。
カチャ。装着、と。うわ、体が前に動けへんやん!うわうわ・・・
無常の青信号。上方前方を見据えた危険なドライブだった。
シートの位置を直さねば、という思いは強くなる一方であったが、
夕方の帰宅ラッシュの幹線道路の通行量は、わき道駐車チャンスを悉く破壊していった。
しかも、帰り道だが、土地かんがないのなら、と紹介された道路は異様に道幅がせまい。
そして車はでかかった。半泣きだった。わからない道、何時着くか判らない家。
そんな状態で走っていた時、やっと見えた目印となる姫路城を見た瞬間は、
ああまだ生きている、生きて帰れるかも、きっと帰れるはず。と思った。
奇跡の生還、マニュアルを見る。シートの調節。おお、ハンドルの位置も動くぞ!
でも、その後一年近くは、此処にかけないような、火を噴く熱い車庫入れバトルを、
そしてここぞという時に炸裂する、必殺フェイントウインカーなどなどを、
各地で繰り広げるのであった。マジですまんかった>被害者&車