エクソダス日記

7月13日、「エクソダスします(主体能動系)」との自主申告にて、
龍野を脱出して、楽園に向かうことにした。

奥津温泉。以前の4月末の連休前、いわゆるファイナル無職ラストイベントとして、
ホビット3人組でエウーゴ基地見学のち、カーナビ検索にて到着した癒しの地。

井倉洞。以前から訪れたい気分が最高潮な鍾乳洞。

”井倉洞 温泉”夢のゴールデンキーワードで、ググル。
つながる2つの言葉、めぐりあい宇宙。
奥津温泉で一泊→帰りに鍾乳洞でフィニッシュの完璧な予定。
まずは奥津温泉で一泊から絞り込む作業に入った。
奥津温泉にて、独立系ホムペのある旅館「河鹿園」を発見。
他の温泉紹介系リンクの他旅館も捨てがたい魅力を臭い漂わせていたが、
今回は、手作りっぽいHPが素朴だが、精一杯テクノロジーも無理して覚える
都会に憧れと幻想を持つものの、田舎の良さもバッテン承知な娘っぽくて
擬人化するとかなりけなげな状態なので、電話をかけてみる事にした。
「いきなりですが、今日泊まれます?」「え、バタバタバタ(沈黙)・・・泊まれます」
ってな訳で決定即準備にかかることに。
旅館の能力が未知数の為、想定できる事態に対応できる準備をする。
まずは本、最高なロケーションなら長編積読状態小説の続きを読み、
最低な感じなら、雑誌を読みながら不貞寝を行う、CDも各種取り揃えておこう・・・
膨大な荷物を積み込み、曇り空の鬱蒼とした天気の中出発する。
まずは「KANSAS/POINT_OF_NO_RETURN」でさわやかに下路を快走。
ガソリン警告ランプの脅しもなんとか山崎インターまでにガソスタ発見&即給油で回避。
高速道路に入ると、ゴシック耽美系な「TYPE-O-NEGATEB/OCTOBER RUST」。
曇り空も手伝い、ついついナルシステックな気分で爆走していると、
後ろから、パッシング、んで赤い回転灯が回ってるってことはぁ・・・
シベリヤ鉄道高速機動隊だ、逃げ切れねぇ、エクソダス失敗っぽい。

117kmやから此処は80kmやから30〜40kmオーバーの3点、
罰金3万5千円やね、高いけど払ってね。
行き先について聞かれた時、温泉なんていったら、
俺らが国民の安全と安心の為に身を粉にして働いているときに温泉とは・・・
と逆上され、罰金パワーアップして拘留されたりしたらアレなんで、
岡山ですけどぉ・・・アハハハ。と口を濁していると、
助手席に乗るシベリヤ交通機動隊員Bの方がおもむろに、
オオサンショウウオ見にいくんやろ、オオサンショウウオ。
運転席のシベリアAの方にもオオサンショウウオの推理に同意を求めようとする
シベリヤBの方、なぜかオオサンショウウオにからめる。
だが、シベリアAの方もまんざらではなさそうで、大きさの巨大さの話に
花が咲くが、このままだと、オオサンショウウオにされてしまい、
近所のオオサンショウウオなポイントまで連行されそうな勢いだったので、
二人のオオサンショウウオ談話を遮るかのように「あ、温泉です」とカミングアウトする。
と、シベリヤA&Bはかなり残念そうながらも、さらりとオオサンショウウオから
話を移してくれた。よかった。内心かなりほっとした。

しかし、直前のICで入ってくるのをバックミラーで確認した黒いR34スカイラインが
覆面だったなんて・・・一回抜かれていれば、後部無線アンテナで判ったものの、
うーんアフター・ザ・フェィステバルである。
まぁ、40km以内で収まっていて良かったと思い前向きに生きて行こうと思うが
3万5千円はイタタで後悔で落ち込みである。
こういうときに限って悪いことは続くもので、ひょっとして温泉旅館が駄目駄目やったら
どないしょうか・・・相変わらずの曇り空。

で、河鹿園、いま原稿書いていますが、欠点はありません。イイです。
奥津温泉で確実に安パイが引きたいあなたにおすすめします。
古いながらも、いい感じで年輪を重ねた感じの建物&内部。
縁側の向こうは庭、そのむこう側は奥津川が流れています、せせらぎ〜せせらぎ〜
調子のって扉を開けていたら、蚊に食われまくりました。自業自得か。
部屋をおばちゃんに案内されてから部屋チェックをいれていると、
元気そうなお姉さんが登場、おかみさんは多忙なもんなんで、
とりえず代理挨拶&説明&無駄話をしました。
たぶい旅館の一人娘でしょうか?美人で快活な感じの明るい娘さんでした。
で、部屋でマターリしていると、おかみさん登場。
和服が似合う品のある方です。HP見てきましたっていったら、
先程の娘さんがコツコツと作っているそうです。
和風&古式な感じのHPだったので、すっかりおかみさんが、
コンテンツ提供して、この村におけるオバQでいうところの
昔ハカセ的だった存在の方に作らせているのではと思っていたので驚き。
いかにもアウトドアっぽい感じの娘さんだったので意外でした。

で、話は戻り、旅館的には特徴はないし飛び道具も無かったりな訳だが、
丁寧に清掃されている広い浴場。
男湯と女湯の浴場が一日おきに変わるんで、
明日の朝風呂もかなり楽しみだったりします。
食事は見た目が美しい系ですね、手が込んでます。一通り山&川の物もはいっていますし。
揚げ立ての創作てんぷら(穴子&蓮根?)は、大層美味でございました。

 
初期装備はこんな感じ。果実の器の酢の物が素敵。てんぷらは写真採る以上に食欲が一本勝ち。

いやほんと、てんぷらは最高にうまそげで実際美味でした、写真はサクッといったあとです。
とりあえず、トマト風味の食前酒(写真左のお手元右上方向を、ずーとラー油と勘違いしていて、
食後にお姉さんに聞いてみたところ、そういうことだったそうで、食後酒に華麗なる転身でした。
しかし肝心の首周りの肩こりは解消されていないっぽい。
さすが美人の湯である。肩こりが・・・グリグリ残ってる。
さあ明日は、朝風呂、奥津観光(謎!川で足踏み洗濯儀式)、朝食、鍾乳洞の梯子。
家に帰ったら洗濯&散髪。
てなわけで、川のせせらぎをBGMに、
読書「イェイツさんの、神秘の薔薇」の続きを読ませて頂きます。
ああ、おいらも綺麗な言葉をサクサク綴りたいものである。

うとうと気分でスルリと就寝に入ると、そこはもう翌朝だった。
7時30分に起床、早速散歩に出かける。
近所の手書き名物マップ看板を一通り見回すも、
川と山の谷間に旅館のイラスト、そして人力洗濯の図。
ほんまに何もない僻地の温泉街である。
散歩小道?とあったので、其処を徘徊することにした。
過去に、無理矢理観光都市化を図った遺産のような、
与謝野晶子夫婦の俳句が刻まれた石碑が欠けて埋もれてな小道。
しかもかなりショート。5分もかからない。
ウロウロしていると、徒歩でもあっというまに観光マップからはみ出す恐怖感。
しかたがないので、8時から始まる?洗濯を見ようとウロウロするが、
さっぱりそのような気配がみあたらないので帰還する。

 
喫茶店「メロン」              んで朝食。

帰還するとタイミングよく、朝食がさくっと運ばれてくる。
まさに旅館の醍醐味を満喫である。
ちょいと豪華な朝食。焼き鮭と生卵だと思い込んでいたので謎な気分に陥る。
食後は朝風呂で決定済み。
昨日は女湯、今日は男湯の地下一階の風呂へ。
最近改築したような感じの天井が木製な綺麗な風呂でした。
多人数なら勘弁な広さであるが、あいにく一人なもんだったので、
心地よく落ち着く広さで、思わず長時間の入浴に、
肩こりも直ったような気分になる。
ぬるい目のお湯なのだが、寒いとは思わせない絶妙のお湯加減ですんで、
長時間の入浴がお好みなかたには、この旅館おすすめです。
ちなみに前回訪問した、外湯の花美人の湯の湯温は熱かったような気がする。
湯上り呆け状態で縁側で佇んでいると、
あの、シャカシャカする方の日本茶がでかい茶碗で運ばれてきた。
美味かったです日本の夏、キンチョウの夏。すっかり国粋主義者気分である。

そのあと、旅館内部の美術館を見学。
あの有名な棟方さんの版画やら直筆やら多数。
そのような貴重な品々の数々を見た結果が、
かしまし娘の色紙があったことしか記憶に殆ど無いおいら。
あ、でもやっぱし偉くて有名な人はセンスがいいなぁ。
ちょいと勉強になりました。
つぎはもっとゆっくり見学したいような物量です。

でチェックアウト。受付のおばちゃんにも、
逮捕のことで交通安全を祈願され、すっかり有名人気分。
カーナビに行き先鍾乳洞を設定して出発しますた。

ちなみに院庄ICまでの道中に画太郎先生のキャラクターのような
小太り男子巨大オブジェ調看板がある洋食屋があります。
後方から見ると一瞬全裸っぽくてビビリますので注意が必要です。

高速道路に乗ってからもすっかり安全運転、制限速度でオートクルーズ巡航。
まったくSVXにとってこの速度はいいんだかわるいんだか不明。
まぁとりあえず、再犯防止帰還の一ヶ月の間は翼をもがれた感じである。
そもそも法を犯さなければ気持ちよくないこの車の性格を考えると、
少し不憫で儚さを感じておセンチな気分になってしまう30歳。

岡山県新見市が、かなり広島県寄りで、遠方であることを
認識することになったものの、12時にやっと到着。
ちなみに、この辺りのコンビニはATM未実装である、現金の手持ちが少ない人
っていうか、おいらがピンチ。高速道路ってカードで乗れるのか?な?

絵に描いたような無理矢理観光地にたじろぎを覚えること必死の
鍾乳洞入り口付近の売店の数々。ある意味、必見である。
そこはかとなく観光鍾乳洞な雰囲気に不安が襲い掛かるものの、
券を購入してつり橋をわたり、入り口に近づくと巨大クーラー(ある種地球クーラーなのだが)
のようなヒンヤリと重い冷気な風が吹き付ける。
あぁ、やはり体は売っても心は巨大鍾乳洞なのねと一安心。

 
つり橋までは延々売店ロード            緊張感のかけらも無い「非常インターホン」のフォント。
                                                  ひょっとすると、真剣にヤバイから?かも


いきなり「月ロケット」と「化粧まわし」が同居する鍾乳洞内部。
実写の図面を連想するとかなり豪華な競演である。
四股を踏む力士とジェットを噴射するロケット。夢のコボラレート。
しかし、「月」ってのが時代を感じさせる。

 
窪みがあればインサート・コイン。人間の本質か。隙間があれば埋めたくなる。
もっとも助兵衛な性欲ゲームはテトリスだと再認識。
ハットリスに足りない点はその一点につきる。
男根主義っぽいタイトルの鍾乳石には賽銭が多いのもその証拠。

 
コメント不能。               地獄の釜は賽銭不足気味。不人気。


お茶目な作業員の証。数千年後にDNA鑑定、再評価されることに。

 
クトゥルールルイエな感じに溶けてる。 新見市の愛情表現「石じゅんタン・・・ハァハァ」

入ってから10分ほど歩いたところに、退避用ショートカットコースが設けられていたり、
かなり歩いてから「ここが折り返し点」な看板があったり、かなりビビリながら進みましたが、
ここの鍾乳洞って、折り返し点からちょいと進むと人口トンネル&くだり道なんで、
思ったより楽々だったです。前半が見所の勝負なんでペース配分を間違えないように。
というか、後半はただの炭鉱夫気分です。


こんな感じの人口トンネル。涼しいからいいけど。

ちなみに観光客はそこそこ散在していましたので、前後から何かしら声が聞こえるといった感じで、
地球の神秘と一体化とかいった感じではなかったです。
ちなみに色付き電飾とか噴水とか謎の橋とかそういう趣向はない、純粋に巨大な鍾乳洞でした。

今回、出発時にワタワタしたので駄目だったが、鍾乳洞内部で
「RICK WAKEMAN/地底探検」を聞きながらマターリするという希望がまたもやお流れになりました。
次回はどこの鍾乳洞にいきましょうかな・・・調査調査。

後日談:
オートクルーズ安全運転を心がけたSVXの燃費は9km/lを記録しました。
このあたりでチマチマ戦うのが日本の正しいエンスー道なんでしょうか?
おいらは勘弁ですけどな。

EndOfFile